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Azure IaaS における有償 Azure テクニカル サポートの対応範囲 |
2019-11-20 09:30:00 -0800 |
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こんにちは、Azure テクニカル サポート チームです。
Azure の IaaS 仮想マシンをご利用のお客様における、Azure の有償テクニカル サポート範囲と留意点について以下の通りご説明します。 本ドキュメントでは、課金・サブスクリプション サポートについては言及しません。 有償である Professional Developer, Professional Standard, Professional Direct, Premier サポートについてのみのご説明となります。
Azure サポートにどのようなプランがあるのかや、その比較は以下をご参照ください。
ご参考: Azure のサポート プランの比較
Azure の有償テクニカル サポート、つまり Developer / Standard / Professional Direct / Premier のすべてにおいて、障害対応 (Break/fix) のサポートが提供されています。障害対応の定義は以下に記載がされています。
ご参考: Azure サポートに関する FAQ
障害対応の問題とは、Azure サービスの使用中に経験する技術的な問題です。"障害対応" という業界用語は、"あるテクノロジが正常に機能しなくなり、正常運転状態に復帰するためにサポート組織の介入が必要になった場合の、そのテクノロジをサポートする作業" を指します。
「障害対応」に対して、アドバイザリとは、「障害対応以外」のご相談ごと、つまり手順確認 (ハウツー) やベスト プラクティスの提供といった範囲でのご質問内容となります。
このアドバイザリ サービスは Professional Direct 契約もしくは Premier サポート契約のみで利用可能となります。Premier サポートでは、マイクロソフトから提供されている、有償サポート対応の製品がすべてサポート対応範囲となりますが、Azure の Professional Direct サポートでは Azure 側の内容のみのサポートが提供されます。
つまり、Azure ではないマイクロソフト製品、例えば Windows や SQL Server 製品などの設定方法、構築手順、仕様確認といった内容については Premier サポート契約が必要です。 一方、Professional Direct では、Azure 基盤側の設定方法などについては、公開情報をベースに調査し、回答させていただくことが可能です。
Professional Direct と Premier においては、アドバイザリの提供範囲も異なります。Azure サポートに関する FAQから抜粋しますと、以下の通りです。
Q. Premier Advisory サポートと比較して、Professional Direct Limited Advisory サポートではどのようなサポートを提供していますか?
A. Professional Direct (ProDirect) Advisory サポートは、(1) Microsoft Azure に関して一般に公開されているベスト プラクティスのドキュメント、および (2) Azure フォーラムからの情報に基づいて、Azure サポート ガイダンスへのアクセスを提供するものです。 ProDirect のアドバイザーは、マイクロソフト関連のドキュメント、Microsoft Azure サポート エンジニア、および Microsoft Azure 製品グループへの各自のアクセスに基づいて、サポートを提供します。 ベスト プラクティス ガイダンスには、例として、以下のものがあります。
Azure のサポートには、重要度が A ~ C に分類されております。
通常重要度 (重要度 B、もしくは C) は、日本時間の営業時間 (土日祝日を除く、9:00 ~ 17:30) でのみ対応しています。 Professinal Standard、Professinal Direct、Premier サポートにおいて 24 時間 365 日の緊急対応 (重要度 A) が提供されています。
緊急対応は、運用環境における「障害対応」つまり、正常な状態で稼働していたサービスが正常に機能しなくなった場合の復旧・問題の回避を目的として行われます。 原因追求や、ハウツー (※) については重要度 B、もしくは C として、通常営業時間内での対応となります。 ※ 原因追求やハウツーは障害対応ではないため、重要度を落としたとしても、ご契約や内容によってお受けできない場合がございます。
Professinal Developer サポートは、開発環境を想定しているため、24 時間 365 日の対応は行えず、重要度 A でも通常時間内での優先対応となります。
Azure には、多岐に渡るテクノロジーが存在します。 案件に応じて、データセンターへのエスカレーションや、適切な専任部門にエンジニアが交代となる可能性がございますため、サポートの際に発行させていただくお問い合わせ番号 1 つにつき 1 つの問題・ 1 つのソリューション提供とさせていただいております。
お問い合わせ内容が多岐にわたる場合、1 つのソリューションごとに新しいお問い合わせ番号の発行をお願いする場合がございます。
以下に、具体例を挙げて対応範囲の Q&A を記載させていただきます。
Q. オンプレミスの PC やサーバーにおいて不調が発生した場合、Azure サポートで対応が行えるか
オンプレミス、つまり自社や自宅の環境のサポート対応は Azure サポートでは対応範囲外となります。Premier サポートであれば、マイクロソフトの製品に限って対応が可能です。
Q. Azure 上の Windows において、問題が発生しているため障害対応を行ってほしい
前述の 「障害対応」 に該当するお問い合わせ内容であり、Azure 上の Windows で発生している場合には、Azure サポートで対応が行える範囲となります。Windows 専任部隊と連携し、障害状態からの復旧のため対応を行います。 障害対応以外のお問い合わせ内容については、チケット制のプロフェッショナル サポート インシデントをご購入いただくか、アドバイザリの対応範疇となる場合には Premier サポートが必要です。
- プロフェッショナル サポート
(※ Azure ではなく、Windows 、Office、SQL Server などマイクロソフト製品をインシデントというチケット制で問い合わせる形態となります) - プレミア サポート
Q. Azure 上における特定製品のライセンスについての問い合わせをしたい
マイクロソフト製品のライセンス (Windows Server や SQL Server 等) については、ライセンス リセラーとなるパートナー各社にお問い合わせください。
パートナー ネットワークに加入されている弊社パートナー様の場合、弊社パートナー コールセンターにご相談ください。
Q. IaaS 仮想マシンの利用にて、パフォーマンスが出ない 構築後、正常にパフォーマンスが出ていた状態から、一時的に極端に悪化している場合には障害対応の範囲となり、Azure サポートでの対応が可能です。
障害対応の範囲外となるパフォーマンス チューニングは Premier サポートにおいてのみ承れます。 Professional Direct サポート契約においては、アドバイザリ サポートにてパフォーマンス上のベストプラクティスを公開情報の範囲からご案内可能です。
Q. Azure 上の Windows Server 仮想マシンにおける OS 内の設定について、ベストプラクティス・特定機能の設定方法・仕様確認などを行いたい
Azure サポートの対応範囲外となりますが、Premier サポートであれば対応可能です。 (Professional Direct 契約では、Windows OS 内部の動作は障害対応を除いてサポート対象外です。)
Q. Azure 上の Windows Server 仮想マシンにおけるサードパーティ製品について問い合わせが可能か
サードパーティ製品のサポートは行っておりませんので、開発元にお問い合わせをいただきますようお願いいたします。
Q. Office 365 製品の問合せが可能か
Office 365 の製品についてのサポートは Azure サポート契約ではお受けできないため、Office 365 サポートをご利用いただく必要がございます。 しかしながら、Azure 上に導入いただいた Office 365 製品において、Azure プラットフォーム側の問題が発生している可能性がある場合など、Azure プラットフォームとしての見解が必要な内容については Azure サポートにご相談ください。
Q. Azure 仮想マシンの予期しない再起動が発生したため Azure 基盤側が要因であるか教えてほしい
Azure テクニカル サポートに対して、予期しない再起動が Azure 起因であるか否かの判断、ならびにその理由についての公式見解をリクエストすることが可能です。
なお、Azure 仮想マシンでは、基盤側のハードウェア・ソフトウェア要因による不調の際、仮想マシンが予期せず再起動される可能性があります。この際に、仮想マシンは「サービス ヒーリング」と呼ばれる、正常な物理マシンへの移動が自動的に行われ、稼働を再開されます。
「障害対応」の定義に従いますと、仮想マシンが予期せず再起動したとしても、仮想マシンがサービス ヒーリングして起動した時点で既に復旧済みという理解となります。仮想マシン単体のダウンがお客様のサービス自体のダウンに繋がらないよう、可用性を構成していただく必要がございます。
Q. Azure 上の OSS(オープン ソース ソフトウェア) において、障害対応を行ってほしい
マイクロソフトでは、以下技術情報に沿ったオープン ソース テクノロジーのサポートを行っております。
また、障害対応・アドバイザリ といった対応範囲は Azure テクニカル サポートと差異はありません。 特に、仕様確認など、開発元でなければ回答ができない内容の場合にはディストリビューターとお客様において個別にサポート契約を締結し、ご相談をいただく必要がありますので、下記ドキュメントをご一読ください。
- Support for Linux and open source technology in Azure (英語原文)
- Linux と Azure のオープン ソース ・ テクノロジーのサポート (日本語機械翻訳版)
Q. Azure 上の Linux や OSS に関してのベストプラクティス・特定機能の設定方法・仕様確認などを行いたい
Azure の Linux や OSS については、前述の技術情報 "Linux と Azure のオープン ソース ・ テクノロジーのサポート" に記載の範囲で行います。Professional Direct ないしは Premier サポートの契約が必要です。
Q. Azure の特定の技術・挙動について仕様確認をしたい
仕様の確認に関する調査については、Professional Direct、もしくは Premier サポートでのアドバイザリ サービスに含まれます。Professional Direct の場合、公開されている技術情報からのご案内のみとなります。
Q. Azure Marketplace におけるサードパーティ製品の質疑応答・トラブルシューティングの依頼は可能か
Azure 基盤側の問題、例えば「サードパーティ製として提供されている仮想マシンが、Azure 基盤側の要因で接続が出来なくなった」といったケースであれば Azure テクニカル サポートにて対応が可能です。 それ以外の、価格、ライセンス、製品固有のご質問・トラブルシュートは提供元にご質問をいただく必要があります。