2024年度ゼミ論「富士山3Dモデル生成のためのPythonライブラリ開発提案」
青山学院大学 地球社会共生学部 地球社会共生学科
佐藤 愛妃/ Sato Aki
学籍番号 1A122083
指導教員 古橋大地 教授
©︎Furuhashi Laboratory/Aki Sato, CC BY 4.0
富士山は日本を代表する山岳であり、その詳細な3Dモデルは防災、観光、教育など多岐にわたる分野での活用が期待されている。しかし、富士山の高精度な3Dモデルを容易に取得・操作・可視化するための統合的なツールは限られている。本提案では、国土交通省のPLATEAUプロジェクトが提供するオープンデータを活用し、富士山周辺の詳細な3Dモデルを生成・操作するPythonライブラリの開発を目指す。
PLATEAUプロジェクトは、日本全国の3D都市モデルをオープンデータとして提供しており、これらのデータを活用するためのツールやライブラリも開発されている。例えば、PlateauKitはPLATEAUの3D都市モデルを扱うためのPythonライブラリであり、データの変換や可視化をサポートしている。 また、PlateauUtilsは3D都市モデル(CityGML・3DTiles/MVT)をパースして、Pythonに読み込むためのライブラリである。 しかし、これらのツールは主に都市部のデータを対象としており、富士山のような山岳地帯の詳細な3Dモデル生成に特化したものではない。
他の先行事例として、PythonとPlotlyを用いて富士山の立体図をブラウザ上で表示する手法がある。 また、Panda3Dライブラリを使用して3D地図を作成する方法も報告されている。 これらの事例は、特定のツールやライブラリを用いて3Dモデルを生成・可視化するものであり、汎用的なPythonライブラリとしての提供は行われていない。
参考にした資料のURLは、参考文献欄に記載している。
本プロジェクトでは、以下のステップで富士山の3Dモデル生成ライブラリを開発する予定である。
- データ収集: PLATEAUプロジェクトのオープンデータポータルから、富士山地域の3D都市モデルデータを収集する。
- データ処理: 収集したデータを前処理し、必要に応じてCityGMLから他の形式(例: GeoJSON)への変換を行う。
- モデル生成: 前処理したデータを基に、富士山の高精度な3Dモデルを生成する。
- 可視化: 生成した3DモデルをPython環境で可視化し、ユーザーが容易に操作・解析できるようにする。
開発されたライブラリにより、ユーザーは以下の機能を利用できる。
- 富士山の詳細な3Dモデルの自動生成
- 生成モデルのインタラクティブな可視化
- 地形解析や断面図の生成などの地理空間解析機能
本ライブラリは、研究者、教育者、開発者が富士山の3Dデータを活用したプロジェクトを迅速に開始できる環境を提供する。また、PLATEAUプロジェクトのデータを活用することで、高精度なモデル生成が可能となり、地形解析やシミュレーションの効率化が期待される。さらに、他の山岳地帯や地域への適用も視野に入れ、汎用性の高いツールとしての発展が見込まれる。
富士山の3Dモデル生成に特化したPythonライブラリの開発は、地理空間データの活用を促進し、多様な分野での応用が期待される。PLATEAUプロジェクトのオープンデータを最大限に活用し、ユーザーが容易に高精度な3Dモデルを生成・操作・解析できる環境を提供することを目指す。
PlateauKit:https://github.com/ozekik/plateaukit
PlateauUtils:https://github.com/Project-PLATEAU/PlateauUtils
PythonとPlotlyで富士山の立体図をブラウザ上で表示する:https://www.odndo.com/posts/python-plotly-html-fujisan/
Pythonで複数の標高タイルを結合して富士山の3D立体地形図を描いてみる:https://memomemokun.hateblo.jp/entry/2018/11/30/204618
Project-PLATEAU/Auto-Create-bldg-lod2-tool:https://github.com/Project-PLATEAU/Auto-Create-bldg-lod2-tool