2024年度卒論「大学生の就職活動における情報管理の現状と課題」
ースマホアプリによる就活ツール開発を例としてー
青山学院大学 地球社会共生学部 地球社会共生学科
深水 友希 / Tomoki Fukamizu
学生番号 1A121143
指導教員 古橋大地 教授
©︎Furuhashi Laboratory/Tomoki Fukamizu, CC BY 4.0
本研究は、就職活動に取り組んでいる学生(以下、就活生)のためのスマートフォン用就活管理アプリケーションを開発して就活生に提供し、そのフィードバックを得ることで大学生の就職活動における情報管理の現状と課題を明らかにすることを目的としている。
現代の就活生の多くが就職活動を行う上でスマートフォンを使用しているが、現行のスマートフォン用就活管理アプリケーションの多くは企業からの収益を重視するため、企業の紹介や広告、煩雑な会員登録制度が含まれており、就活生にとって利便性が高いとは言えない。
その上、就職活動を行う上で管理する必要がある情報の種類は非常に多く、それらを一元的に管理することが困難である。
現代ではAIなどにマネジメントを依頼することが可能になったが、それらのサービスの多くが月額の料金を必要とするため、大学生にとって手軽に手を出せるものとは言い難い。
本研究では、就活生が直面するこれらの問題を解決するために、シンプルで使いやすいスマートフォン用の就活管理アプリケーションを開発し、就活生に提供した。
アプリケーションの開発プロセスには、ユーザーインターフェースの設計、機能の選定、デバッグとテストを行った。
アプリケーション提供後、就活生からアンケートやインタビューを通じてフィードバックを収集し、そのデータを分析した結果、特定の就職活動支援民間事業サービスに依存したアプリケーションよりも利便性と汎用性の高いUIを開発することができた。
現代の大学生にとって、就職活動は重要なライフイベントの一つであり、成功するためには効率的な情報管理が不可欠である。この情報管理にスマートフォンを活用する学生は多い。 一般財団法人雇用開発センターによれば、2020年には約6割の学生がスマートフォンをメインに使用して就活を行っているという。
しかし現行の就活管理アプリケーションの多くは、企業からの収益を重視するため、企業の紹介や広告、煩雑な会員登録制度が含まれており、就活生にとって必ずしも利便性が高いとは言えない。また、就職活動を行う上で管理する必要がある情報は非常に多岐にわたっており、それらを一元的に管理することは困難である。
この現状において、就活生が直面する情報管理の課題を解決するためには、完全に就活生の視点に立った、シンプルで使いやすい就活管理ツールが求められている。本研究は、就活生にとって真に役立つスマートフォン用の就活管理アプリケーションを開発し、実際に就活生に提供してそのフィードバックを得ることで、就職活動におけるタスク管理の現状と課題を明らかにすることを目的としている。
1.就職活動を行う上で管理する必要がある情報をリストアップする。
2.リストアップした情報を全て管理できるスマートフォン用のアプリケーションをGlideで作成する。
3.作成したアプリケーションを就活生に使用してもらい、フィードバックを得る。
大学生の就職活動における情報管理の現状と課題が明らかになり、作成したアプリケーションの改善点も知ることができた。
本研究の結果に基づき、いくつかの重要な知見が得られた。まず、就活生が管理する必要のある情報の種類とその多様性について、具体的なデータが明らかになった。これにより、就活生が直面する情報管理の複雑さが浮き彫りになり、これを一元的に管理することの困難さが確認された。また、フィードバックを通じて、作成したアプリケーションの具体的な改善点が明らかになった。
本研究を通じて、大学生の就職活動における情報管理の現状と課題が明らかになった。特に、現在の就活管理アプリケーションが就活生のニーズを完全には満たしていないこと、そして就活生にとって使いやすく、実用的なツールが必要であることが確認された。作成したアプリケーションは、就活生からのフィードバックをもとにさらに改良を重ねることで、より有用なツールへと進化することが期待される。
本研究を進めるにあたり古橋先生をはじめ多くの方々より多大な助言を賜りました。厚く感謝を申し上げます。