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漢文訓読JavaScript

概要

漢文訓読JavaScriptは、青空文庫形式で記述した漢文データを「原文」、「訓読」、「読み下し文」などにHTMLで変換するライブラリです。

ブラウザでも、またはRhinoなどローカル環境でも動作します。

例:

例

漢文の訓点の例

以下の漢文で例を示します。

吾嘗終日不食、終夜不寝、以思。

訓点を青空文庫の注記記法で入力します。

吾嘗終日不[#レ]食、終夜不[#レ]寝、以思。

送り仮名はカタカナ、ひらがなで漢字と訓点の間に入れます。

吾嘗テ終日不[#レ]食ラハ、終夜不[#レ]寝ネ、以テ思フ。

青空文庫形式では、漢文の送り仮名は[#(XX)]という形式で記入することになっていますが、カタカナ・ひらがなの場合は不要です。 (万葉仮名を用いる場合は、[#(XX)]形式も利用可能です。)

必要に応じて、読み仮名を「青空文庫形式」で挿入します。

吾《われ》嘗《かつ》テ終《しゅう》日《じつ》不《ず》[#レ]食《く》ラハ、
終夜《しゅうや》不《ず》[#レ]寝《い》ネ、以《もつ》テ思《おも》フ。

このデータを、"kanbun"クラスのタグに入れると、JavaScript関数の処理対象となります。HTMLタグにidを設定し、個別に制御可能になります。

<p class="kanbun">吾《われ》嘗《かつ》テ終《しゅう》日《じつ》不《ず》[#レ]食《く》ラハ、終夜《しゅうや》不《ず》[#レ]寝《い》ネ、以《もつ》テ思《おも》フ。</p>

利用方法

HTMLで利用する場合は、kanbun.js を読み込むだけで利用可能です。

<script src='./js/kanbun.js'></script>

以下の関数を呼び出すことで、漢文を整形します。IDを空文字列にすれば、全てのkanbunクラスのタグが処理対象になります。

  • kanbun_html_to_original("#ID") … 入力テキストを表示します。
  • kanbun_html_to_kanbun("#ID",bool,bool,bool,bool,bool) … 漢文を表示します。
  • kanbun_html_to_kakikudashi("#ID",bool,bool,bool) … 書き下し文を表示します。

関数の詳細については、付属の jsdoc を確認ください。

漢文の例

再読文は、『【漢字】《【よみ】》【送り仮名】〈【再読よみ】〉【再読送り仮名】』で表現します。

  • 原データ: 引キテ[#レ]酒ヲ且《》二〈ス〉[#レ]飲マント[#レ]之ヲ。

    • 漢文:引酒且飲之。
    • 書き下し:酒ヲ引キテ且二之ヲ飲マントス。
  • 原データ: 孤之〈ノ〉有ルハ[#二]孔明[#一]、猶《な》ホ〈ゴト〉シ[#二]魚之〈ノ〉有ルガ[#一レ]水。

    • 漢文: 孤之有孔明、猶魚之有水。
    • 書き下し: 孤ノ孔明有ルハ、猶《な》ホ魚ノ水有ルガゴトシ。

置き字は、その漢字の後ろに空の〈〉を付します。

  • 原データ:青ハ取リテ[#二]之ヲ於〈〉藍ヨリ[#一]而〈〉青シ[#二]於〈〉藍ヨリモ[#一]
    • 漢文: 青取之於藍而青於藍
    • 書き下し:青ハ之ヲ藍ヨリ取リテ藍ヨリモ青シ

対応する訓点には、上中下・甲乙丙丁・天地人があります。

  • 原データ: 使〈シ〉メヨ[#人]籍《せき》ヲシテ誠《まこと》ニ不〈〉〈ズ〉[#乙]以《もつ》テ[#下]蓄《やしな》ヒ[#二]妻子ヲ[#一]憂《うれ》フルヲ[#中]飢寒《きかん》ヲ[#上]乱サ[#甲レ]心ヲ、有リテ[#レ]銭《ぜに》以《もつ》テ済《な》サ[#地]医薬ヲ[#天]。
    • 漢文:使籍誠不以蓄妻子憂飢寒乱心有銭以済医薬。
    • 書き下し: 籍《せき》ヲシテ誠《まこと》ニ妻子ヲ蓄《やしな》ヒ飢寒《きかん》ヲ憂《うれ》フルヲ以《もつ》テ心ヲ乱サズ、銭《ぜに》有リテ以《もつ》テ医薬ヲ済《な》サシメヨ。

HTMLの例

付属の kanbun.html を参照ください。

漢文の書式

漢文は以下の書式で記述します。改行などの特殊記号は使えないのでご注意ください。

 漢文       := 漢文単位+
 漢文単位   := 漢字単位 読み仮名? 送り仮名* 再読仮名? 再読送り* 竪点? 訓点?
 漢字単位   := 漢字 異体字選択? | 句読点
 漢字       := "[㐀-\9fff]|[豈-\faff]|[\ud840-\ud87f][\udc00-\udfff]"
 句読点     := "[。、]"
 異体字選択 := "\udb40[\udd00-\uddef]" (異体字選択子:U+E0100...U+E01EF)
 読み仮名   := 表示読み | 非表示読み
 表示読み   := "《" 仮名漢字* "》"
      ※ 表示読みは、漢文・書き下し文の両方で漢字の脇に読みを表示する。
 仮名漢字   := 仮名 | 漢字
 仮名       := [ぁ-ヿ]
 非表示読み := "〈" 仮名漢字* "〉"
      ※ 非表示読みは、漢文では読みを表示せず、書き下し文では読みのみ表示する。
      ※ 置き字は非表示読みを空の〈〉として表現する。
 送り仮名   := 仮名+ | "[#(" 仮名漢字+ ")]"
      ※ 万葉仮名がある場合は、後者を使用する。
 再読仮名   := 表示読み | 非表示読み
 再読送り   := 仮名+ | "[#(" 仮名漢字+ ")]"
      ※ 万葉仮名がある場合は、後者を使用する。
 竪点       := "‐" ※ (仮定)竪点は2つ連続しない。
 訓点       := "[#" 訓点文字 "]"
 訓点文字   := 順序点 | "[一上天甲]?レ"
 順序点     := [一二三四上中下天地人甲乙丙丁]

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