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KobayashiToshi authored Jul 25, 2024
1 parent 6392b9c commit 47ad561
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## 3.4 括弧類・句読点等の配置

### 3.4.1 括弧類・句読点等の一般的な配置方法
### 3.4.1 括弧類・句読点等の配置の基本

句読点や括弧類などは,文や語句の区切りを示す,あるいは文や語句を括る役割をもっている.したがって,句読点の後ろや括弧類の外側に,その文の区切りや語句のまとまりを示すために適当な空白を確保する必要がある.
> この因果関係はちょっと不安です。因果関係としてはっきり示すのではなく、「したがって」と「必要がある」を取るのはどうでしょう?
句読点や括弧類などは,文や語句の区切りを示す,あるいは文や語句を括る役割をもっている.句読点の後ろや括弧類の外側に,その文の区切りや語句のまとまりを示すために適当な空白を確保する.

一般に,和文用の括弧類や句読点の字幅は全幅である.文字の外枠(又はボディ)が正方形の場合の字幅は文字サイズとなる.つまり,そこには空白を含んでいる.
> 正方形の場合への言及は必要? 一般にこれらは全幅のボディの中に字と(インクの黒い部分の良い言い方はあるか?)その空白を含む、と言えば必要十分に思います。
括弧類や句読点は,一般に字詰め方向について,字幅の1/2か,ややそれより小さい字面を持っており,その字幅の1/2程度の空白が組み込まれている.始め括弧類は前側,終わり括弧類や句読点は後ろ側に空白が組み込まれている.中点類は前後に字幅の1/4ずつの空白がある.

注 日本語の中に使用する括弧や句読点,中点類は,ラテン文字用の括弧などがある例もある.特に必要があるために使用する場合を除外し,和文用の括弧類,句読点,中点類を使用する.たとえば,“索引(index)を”の場合も,たまたま小括弧内の内容がラテン文字であるが,小括弧は和文と考えるからである
和文用の括弧類や句読点について,その全幅のボディを密着させて配置していけば空白は確保される

したがって,字間を詰める又は空ける等の処理を行わない場合は,通常は,それぞれの字幅に従い,文字の外枠(又はボディ)を密着させて配置していけばよい
注 日本語の中に使用する括弧類や句読点,中点類は,ラテン文字用の括弧などがある例もある.特に必要があるために使用する場合を除外し,和文用の括弧類,句読点,中点類を使用する.たとえば,“索引(index)を”とあった場合も,たまたま小括弧内の内容がラテン文字であるが,小括弧は和文と考える

括弧類や句読点は,一般に字詰め方向について字幅の1/2か,ややそれより小さい字面を持っており,グリフには,(全幅であろうとなかろうと)その字幅の1/2の空白が組み込まれている.始め括弧類は前側,終わり括弧類や句読点は後ろ側に空白が組み込まれている.中点類は前後に字幅の1/4ずつの空白がある.
### 3.4.2 括弧類・句読点等の空白を削除する例

なお,括弧類や句読点,中点類の字幅の1/2,又は1/4の空白について,フォントには,その空白を削除する機能が保持されている.括弧類や句読点が連続する場合などで括弧類や句読点の1/2の空白,中点類の1/4の空白を削除して配置する処理が必要になるケースがあるからである(括弧類や句読点が連続する場合は,次項で解説する).また,行の調整処理でも,括弧類や句読点,中点類の空白について,詰める処理が行われる場合がある(〓項参照)
次のようなケースでは,括弧類や句読点など前後を詰め,空白を削除する処理が必要になる

以下は,方針によって特別に1/2の空白又は1/4の空白を削除する例である
- 括弧類や句読点を連続して配置する場合.単独で配置する場合の空白とそろえる処理である(詳細は次項で解説する)

例1:読点(U+3001) 漢数字の3桁ごとの区切りに使用する場合,読点の後ろの1/2の空白を削除する.

例2:中点(U+30FB) 漢数字で小数点を示す場合,前及び後ろの1/4の空白を削除する.

例3:小括弧(パーレン,U+FF08,U+FF09) 文中に使用する小括弧の1/2の空白を削除して配置する方法がある.

> どのような場合?
### 3.4.2 括弧等が連続した場合の処理

括弧類や句読点を連続して配置する場合がある.この場合,括弧類や句読点の前後の空白が重なったり,空白が必要でない箇所が空いてしまう組合せがある.この場合は,括弧類や句読点が漢字や仮名の間に単独で配置される(連続して配置されない)場合と同じ程度の空白にそろえた方がバランスがよい.

以下のような場合に,この空白の調整が必要になる.
- 行頭の括弧類を配置する場合.視覚的に行頭をそろえるかための処理である(詳細は次項で解説する)

a 中点類と括弧類が連続する場合
- 行の調整処理で括弧類や句読点などの前後にある空白を詰める(詳細は〓〓項で解説する).

注 中点類との連続 中点類と句読点が連続する組合せとなる例は少ない.この場合は,使用する状況にもよるが,それぞれの字幅で配置していけばよい(字間の調整は行わない)
こうした処理を行うために,括弧類や句読点,中点類の字幅の1/2,又は1/4の空白について,フォントには,その空白を削除する機能が保持されている

> 調整を行ってはダメなのか、行っても良いけれど重要ではない、のかどちらでしょう? デジタルの場合、一度決めると調整の際の手間はありませんので、どちらかというと括弧類と句読点の処理が同じ方がシンプルになります。
また,以下は,指示により括弧類や句読点,中点類の1/2の空白又は1/4の空白を削除する例である.

b 和字間隔(全角スペース,U+3000)と括弧類が連続する場合

注 和字間隔との連続 和字間隔(全角スペース,U+3000)と中点類,又は句読点が連続する組合せとなる例は少ない.この場合は,使用する状況にもよるが,それぞれの字幅で配置していけばよい(字間の調整は行わない).

c 括弧類又は句読点(以下,句読点及び括弧類を併せて括弧類等という)と括弧類等が連続する場合

aとbは,原則として,中点類や和字間隔(全角スペース,U+3000)の前後に配置される括弧類等の後ろ又は前にある空白を削除する.一般には,次のようになる.

1 文字の外枠が正方形である文字を使用している場合は,括弧類等の後ろ又は前を文字サイズの1/2だけ詰める(図〓).

2 1と同じであるが,さらに等幅の文字が変形されている場合は,詰める量を全幅(文字の字詰め方向の字幅)の1/2にする.
例1:読点(U+3001) 漢数字の3桁ごとの区切りに使用する場合,読点の後ろの1/2の空白を削除する.

3 プロポーショナルな場合は,文字のデザインにもよるが,1の考え方を踏襲し,余分な空白がでないように詰める
例2:中点(U+30FB) 漢数字で小数点を示す場合,前及び後ろの1/4の空白を削除する

cの場合は,以下のような組合せがある(以下では,始め括弧類を“始め”といい,終わり括弧類と句読点と合せて“終わり”という).ただし,4は,その実例もほとんどんないが,実際に重なりが発生しても余分な空白が発生しないので,調整の必要は出ない
例3:小括弧(パーレン)など 小括弧などは,補足説明を付加する例が多い.そこで括弧書きをつける前の文との間の空白を削除して配置する方法がある.この場合,方針として処理するので,独立した文を括る場合を除外し,小括弧などの前後の1/2の空白はすべて削除する

1 始めと始めが連続
### 3.4.3 括弧等が連続した場合の処理

2 終わりと終わりが連続
括弧類や句読点を連続して配置する場合,括弧類や句読点の前後の空白が重なったり,空白が必要でない箇所が空いてしまう組合せがある.そのために括弧等が連続した空白を削除する処理が必要になる.

注 始めと始め又は終わりと終わりが連続 始めと始め又は終わりと終わりが連続する場合,句読点の前,括弧類の内側は,それに連続する文字との接続の関係が強い.そこで句読点の前,括弧類の内側には空白が出ることは特別の場合(ルビのはみ出しが多い等)を除き避け方が望ましい.行の調整処理における空ける調整でも,調整の優先順位でできるだけ後にしている.そこで,この余分な空白を削除する調整が必要になる
対象となる括弧類や句読点等に次がある.同じ処理となるものをまとめ,3つのグループとして示す(この項及び次項に限る)

3 終わりと始めが連続
a 始め括弧類(この項では“始め括弧”という)

注 終わりと始めが連続 これは見た目の前のアキと後ろのアキが連続するので,単独に配置する場合の空白より大きくなるので調整が必要になる.
b 終わり括弧,読点,句点(この項では“終わり括弧等”という)

4 始めと終わりが連続
c 中点類,和字間隔(この項では“中点等”という)

1と2は,aやbとほぼ同じ処理であり,1では,2番目に配置する始め括弧類等の前の空白を削除し,2では,1番目に配置する終わりの後ろの括弧類等の空白を削除する.その方法もaやbの場合と同様である(文字の外枠が正方形である場合を図〓に示す)
どのように空白を削除するかは,別表に示す

3の場合は,重なった括弧類等の文字サイズが同じときは同一の処理であるが,文字サイズが異なると,いくつかの方法がある.
〈後ろ〉       始め括弧  終わり括弧等  中点等

重なった括弧類等の文字サイズが同一の場合は,以下のようになる.
〈  始め括弧    後前-1/2    密着    密着

1 文字の外枠が正方形である文字を使用している場合は,文字サイズの1/2だけ詰める(図〓).
前  終わり括弧等  -1/2(要説明) 前後-1/2  前後-1/2

2 1と同じであるが,さらに等幅の文字が変形されている場合は,詰める量を全幅(文字の字詰め方向の字幅)の1/2にする.
〉  中点等     後前-1/2    密着    密着

3 プロポーショナルな場合は,文字のデザインにもよるが,1の考え方を踏襲し,余分な空白がでないように詰める.
後前-1/2:後ろに配置する始め括弧の前を-1/2
前後-1/2:前に配置する終わり括弧の後ろを-1/2
-1/2(要説明):-1/2であるが,前に配置するものか,後ろに配置するものが問題となる(項を改めて開設する)

従来は挿入する括弧書きは,小さい文字サイズのものが多かったが,最近では,行中の,その段落で使用している文字サイズより大きなサイズの文字を挿入する方法も行われている.約物が連続した場合の空白は,どの文字サイズを基準にするかが問題になる.前の文字か,それとも後ろの文字か,2つの平均かという問題である
注 和字間隔以外の空白 Unicodeには,ラテン文字用のSPACE(U+0020)をはじめとして多くの間隔を空けるものがある.これらを日本語組版で使用した場合は,通常は空白の調整はしなくてよく,ボディを密着させて配置していけばよい

注 括弧類等が連続した場合の従来の方法 これまでの書籍や雑誌において「……」(……)といったようにパーレン内に引用情報などを示す場合,後ろの括弧の文字サイズを小さくするのが一般的であった.これを前提にし,“」”と“(”が重なった場合は,後ろの文字が基準となり,後ろの括弧類の文字サイズの1/2だけ詰める方法が行われていた.
### 3.4.4 終わり括弧等と始め括弧が連続する場合の処理

以下では説明が複雑になるので,文字の外枠が正方形の場合(字幅が文字サイズとなる)に限定する.文字を変形する場合やプロポーショナルの場合は,同様に考えていけばよい
終わり括弧等と始め括弧が連続する場合,終わり括弧等の後ろに空白があり,さらに始め括弧の前に空白がある.2の文字サイズが同じであれば,どちらの文字であろうと字幅の1/2だけ詰めればよい

1 後ろに配置する括弧類等の文字サイズを基準とし,その文字サイズの1/2だけ詰める.従来から行われていた方法である
しかし,その2つの文字サイズが異なる場合は,どちらを詰めるかが問題となる.通常は,大きなサイズのものが優先される間あげれるので,並んだ2つのうちの大きな文字サイズの空白を優先し,小さい文字サイズの字幅の1/2を詰める処理でよい

2 その段落で使用している文字サイズの1/2だけ詰める
この場合は,前か後ろかは,状況による.そこで,大きなサイズ小さいサイズを平均して,その平均の1/2という方法でもよい.空間の大きさは,一般の読者にとっては,それほど正確に認識するのは難しいので,多少の差異は問題とならないであろう

3 前に配置する文字と後ろの配置する文字サイズの平均の大きさの1/2だけ詰める
これ以外に次のような方法もあるので,紹介だけしておく

4 文字サイズの小さい方を基準とする
- 後ろに配置する括弧類等の文字サイズを基準とし,その文字の字幅の1/2だけ詰める.従来から行われていた方法である.従来は挿入する括弧書きは,小さい文字サイズのものが多かったので,この方法で処理すれば,小さい文字サイズの字幅の1/2を詰める処理となった

5 文字サイズの大きい方を基準とする
- その段落で使用している文字サイズの1/2だけ詰める

3又は4が,ある種の合理性を持っていると思われるが,優先的な(つまり大きな文字サイズ)の文字のアキが確保される,ということを考えれば4ということになろう.また,1は,読んでいく順序で最初に出てくるので,それを優先するという考え方もできる(始めと終わりのアキが均一にならないという問題も出る)
- 大きい文字サイズの字幅の1/2を詰める

### 3.4.3 行頭の括弧類の配置処理

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